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母、病に伏す。

  • Posted by: doctor-m
  • 2015年4月20日 23:40
  • 日記

新宿副都心

昨年暮れくらいから極度に体調の悪そうな母であったが、いよいよ本格的に悪くなってきた。

「痔が悪い」

と、言い始めたのは昨年の夏くらいだろうか。

「早めに病院行きな」

と、何度も母に言うものの、億劫であったり、実際の病気を理解するのを敬遠してから、人間はなかなか病院には行かない。しかし、先月からようやく「痔が悪い」ということで、近所のクリニックにようやく通い始めた。

通院して1ヶ月くらい経つが一向に快復の兆しがないので

「そろそろ1ヶ月経つけど、どうにも変わってないからこの先の治療計画やら見通しをきちんと聞いてきてよ」

と、母にお願いして行動してもらったところ

「"紹介状を書くから、もうちょっと大きな病院で診てもらってください"って言われたよ」と。

それならそれでよかったなと内心思いつつ、いつ大きな病院に行かせようかと考えていた矢先、昨晩遅くに

「申し訳ないけど、明日会社休んで紹介状を取ってきて。もう自分では行ききらん」(母は福岡は筑豊出身のため、ちょこちょこ九州弁が出る)

という。「若いんだから働け!」とはことあるごとに言われることはあったが、「会社を休んでくれ」と言われたことはこれまでもこの先も1度きりなのではないか。よほど調子が悪いんであろう。幸いにも現在ぼくが勤める会社は介護系の企業なので、この類の理解は深い。なので、午前中の半休を想定して病院に連れて行くことに。

母は、昨秋徒歩2分くらいのところにできた佼成病院へ直接行くことに。ぼくはこれまで通っていたクリニックに紹介状を取りに向かう。

すぐさま紹介状を受け取り、佼成病院へ向かう。待合のベンチに母は座っていて、さして調子悪そうでもなく、

「おー、早かったね。ありがとうね」

とこちらを気遣うくらいの余裕はある。

「痔が悪い」ということなので、肛門外科を受診するのが通例ではあるが、今日は肛門外科のドクターがいないということで、普通の外科を受診することになった。

このときぼくは、痔を根治するために入院&手術になるであろうと想像していた。問診と血液検査のあと、改めて問診となった。あれよあれよと処置室とやらに運び込まれ、

「ちょっと点滴しますね。そして造影剤を入れてCTも撮りに行きます」と。

痔くらいでずいぶん大げさな検査をするもんだと思いつつ、点滴も不思議だったのだが、最近食欲も落ちてたし、栄養でも入れてくれるのであればいいなくらいで考えていた。ついでに散々待たされたために午前半休ではすまないくらい時間が経っていた。

CT撮影が終わり、残りの点滴を打ちながら、再度ドクターに呼ばれた。このとき

「息子さんもいっしょにいるならどうぞ」

とドクターに言われ、あんまりいい気分はしなかった。おそるおそる診察室に入ると、血液検査の結果と、CTの写真をパソコンのモニタに写しながらドクターが説明を始めた。

「まず、重度の貧血です。自立で病院に来たのが信じられなくらいの貧血です。この数値(たしかヘモグロビンの数値が4台。2台まで落ちると死亡するらしい)では入院してもらいます。今日は帰れません。そして輸血します。それから、このCTを見てほしいのですが、ここ(大腸、直腸付近を指しながら)のあたりに大きめな腫瘍があります。かなり広範囲になっていて、正直、あまりいい状態ではありません。ただ、生体検査をしていないのでいま時点では良性か悪性かはわかりませんが、率直に申しあげて良性ではこんな状態にはならないと考えていただいたほうがよいです。」

これぞ青天の霹靂。
痔での入院&手術は前述のとおり想定の範囲内だが、重度の貧血と大きい腫瘍ってなんだよ。と。

母は

「入院はできません。掃除もしないといけないし、犬の散歩もしないといけない」

なんて言っていたが、母というか女性は強いなと。

「医師としてこの状態で帰すにはいきません。ご自身で"もう病気は治さず死んでもいい"というのなら、止める権利はないのでご自由にということになりますが、そうはなりませんよね?」

と、ドクター。

「まぁ、いっかい入院してゆっくり治してもらいなよ」

と、ぼくが言い、入院手続きのための同意書と輸血の同意書にサインをして、すぐに1階にある入院手続受付へ。

入院手続き
緊急度が「最優先」って、こんなのもらう人なかなかいないだろう...。

手続きに行くと、健保の使いかたを教えてくれた。高額医療になる場合には、事前に「限度額適用認定証」というものを申請しておくと上限が決まった金額のみが請求されることになり、経済的負担が軽くなるそう。この証明書を持っていない場合には3割負担分が請求されるが、追って返金があるそう。このあたりは各健保に詳細があるので参照されたい。

母はよほど家に帰りたかったらしく、自分の病室が決まってからぼくと一緒に一度家に帰った。荷物をまとめつつ、軽く部屋の掃除をしてまたいっしょに病室へ。

それからは点滴をしたり、輸血をしたりですっかり病人スタイル。
明日からは各種検査が始まり、病気の確定と治療計画が作成されるとのことだ。重篤でないことをただただ祈る。

輸血パック
こんなでかい輸血パックを2パックもやっていた。



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