法政大学大学院経営学研究科。
今年度最後の入試だ。
過去問を見る限り、問題はすべて英語。当時お金持ちだった我が家は、小学校1年生から英会話教室に僕を通わせていたため、英語に対するアレルギーは一切ない。しかし、日本語で読んでもイマイチわからない専門的な話は、英語で読んだらもっと分からないに決まっている。よって、出願はしたものの、受かるはずがないと思っていた僕は、受験前日だというのに3時過ぎまで起きていた。
ちょっと二日酔いで、しかも忙しかった今週は寝不足でもある。不調の極みで市ヶ谷にある法政大学大学院の校舎に向かう。
向かう電車の中でもコクリコクリと睡魔と闘う。「眠眠打破」を買おうと思うが、コンビニがない。しょうがないので、そのまま試験会場へ入る。
ほぼ最終の試験ということもあってか、これまで僕と同様に他校を落ちたであろう人たちでかなりの受験生がいた。予想はしていたが、こんなに人が集まっているとは思わなかった。落選確実。
10時から1時間半のあいだ英語の試験を受け、13時半に発表される1次試験の結果待ちのために、昼食をとる。ついでに先日発売された内田先生の訳書「すごい「議論」力!」を購入して、発表時間を待つ。
13時半近くなって、天気も悪くなってきているので、とりあえず結果を見てさっさと帰って昼寝でもするかと、かなり気楽な感じで合格発表場へ向かう。受験票を手にした人たちがすでに掲示板に群がっている。
自分の受験番号があるわけないと思いながら、人の間から掲示板を見てみると
「あれ?」
そう、自分の受験番号が記されている。何度も自分の受験票に記載されている受験番号と掲示板の受験番号を照らし合わせて、冷静に確認する。しかしあるわけないと思っていたものがあるのだから、冷静にいられるわけが無い。手が震え始めた。
今日、僕が受験であることを知っている人たちに、次々とメールを送る。そして、面接会場となる大学院棟4Fへ移動した。
たしかに筆記試験のときより人が減っている。当たり前か。
しかし自分が選抜されたのだから、「実は全員合格なんじゃないか」とも思った。
僕の受験番号は一番後ろだったので(なかなか出願できなかった理由もある)、面接も一番最後なのだ。1人約10分ほどの面接なのだが、僕の前に7名もいる。そう、70分待ちだ。ディズニーランドのアトラクション並みに待たなければならない。
寝不足だから早く帰ろうと思っていた僕にとっては、ロスタイムである。仕方がないので、さっき買ってきた「すごい「議論」力!」を読みながら、今か今かと面接の順番を待つ。
はて?指導してもらいたい教官の名前はなんだったっけ?マーケティングに強いとは聞いていたが、正直、あまり法政に興味がなかった僕は、希望する指導教官の名前も覚えていないくらいだ。あわてて携帯電話を取り出して、法政ビジネススクールのWebサイトを閲覧する。パケ放題にしておいてよかったと、はじめて思えた瞬間だった。
いざ面接になるとまぁ質問は詰問であり、到底太刀打ちできない。
打ちひしがれた思いで帰途に着く。また浪人だ。