『一勝九敗』。

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ユニクロ社長、柳井正氏の経営哲学に関する一冊。ユニクロの成長過程を、社長自らが包み隠さず解説。組織行動の教科書といっても過言ではないが、こういうケースものは、「その企業だから実現できた」ものであってすべての会社にあてはまるものではない。いかに自社に応用できるかが肝である。
以下に印象に残ったフレーズを引用しておく。
P.83
「失敗は単なる傷ではない。失敗には次につながる成功の芽が潜んでいるものだ。したがって、実行しながら考えて、修正していけばよい。危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているよりよほどよい。失敗の経験は身につく学習効果として財産となる。」
P.99
「大企業は組織で仕事をする。組織の各階層では、それぞれの部下は上司の指示に従う。最初は「手足」として働き、そのうち徐々に「頭脳」に昇進していくという構図。そういう仕事のやり方が普通だとしてやってきた従来の考えから抜けきれない人たちには理解しがたいかもしれないが、どんな組織でも「手足」だけの人間は不要だと思う。」
P.119
「広告は視聴者に到達してこそ広告であり、中途半端なものは埋没し絶対に到達しない。「到達」とは視聴者が共感してくれて、我々が伝えたいと考えていることが伝わり、結果が思い通りになるということだ。」
P.177
「挨拶をしないとか、腰が据わらないというのは、やはりリーダーに責任があるということだ。上司は、部下が挨拶しなかったら、挨拶しろというふうに言うべきであるし、ふわふわと仕事をしているような人間がいたら、もっと腰を据えて仕事しろ、と言わなければならない。これをはっきり言えないリーダーは、本物のリーダーや経営者ではない。」
P.213
「挑戦と実行には必ず次々と難題が降りかかってくる。そんな現場で最後まで手を抜かず、責任を持ってやり遂げられるのか。これが意外に難しいのだ。」
P.226
「計画したら実行するということ。実行するから次が見えてくるものではないだろうか。経営者本人が主体者となって実行しない限り、商売も経営もない。頭のいいと言われる人に限って、計画や勉強ばかり熱心で、結局何も実行しない。商売や経営で本当に成功しようと思えば、失敗しても実行する。また、めげずに実行する。これ以外にない。」