日帰り弾丸ツアー@箱根。
この切符片手に箱根に行ってきた。
まったく計画的ではない旅(?)だ。この前日、大学院時代の友人の米田氏と東京大学医学部で開催されている「血管のひみつ」という展示を見に行き、その帰りに上野の飲み屋で飲んでいるときだった。同じく大学院時代の友人の田村氏から「明日、箱根か長野に日帰りで行くよ」という内容のメールが飛んできた。
そのお誘いには返事をせずに、「いま米田さんと上野で飲んでるからおいで」と返信。1時間ちょっとで田村氏が合流して本日の箱根行きが決定。というのも、米田氏の本拠地は大阪で、彼が箱根に行ったことがないということだったので、せっかくなら箱根にしようということになり、その場からiPhoneでロマンスカーの空席照会&予約だけ済ませて別れた。
本企画首謀者の田村氏。昨年末に会った時よりも横幅が1.3倍くらい大きくなっていた。人間はどのくらい大きくなれるのかをこのまま見守り続けたい。
大阪から東京出張中に箱根に遊びに行ってしまう米田氏。最近、子供が生まれたばかりなのに、これまでと変わらない遊びっぷり。お嫁さんが不憫でならない。
新宿9時発の「Sはこね9号」を前述のとおり昨夜のうちに予約してあり、15分前に特急券を購入せよとのことだったので、念のため8時15分に待ち合わせ。前日に深酒したせいか若干二日酔いで5分ほど遅刻。改札脇の「ロマンスカーカフェ」で迎え酒を投入。
乗って行ったのは、このVSE(50000形)という電車。新しい車両なのかとてもきれいだったのと、写真を撮ってる人が多いような気がした。
内装はこんな感じ。間接照明がラグジュアリー感をアップさせている。
ただし、シートが若干粗末で、隣の人が立ったり座ったりするとガタガタと振動がこちらまでやってくるので、眠りこけていたりすると結構気になる。
電車内のお供は、さっきのロマンスカーカフェで購入したたいめいけんのヒレかつサンド。かつがメチャクチャ柔らかかくて非常においしい。ビールにもよく合う。
新宿駅から約1時間半で箱根湯本駅に到着。ものすごく混んでいた。
箱根湯本駅から箱根登山電車に乗って強羅に向かう。その途中、1駅前の彫刻の森駅で降りて、ベタに「箱根彫刻の森美術館」に。入場料は大人1,600円とそこそこいい値段なのだが、小田急電鉄が発行している「箱根のんびりクーポン」を新宿駅でもらっていたので、そのクーポンを使用して200円引きに。このクーポンはロマンスカー内の買い物などにも使えたり、箱根のいろんなお店で使えるので、箱根に行く前にはぜひもらっておいた方がよい。
入口のゲートをくぐると、まずいきなり岡本太郎の「樹人」というオブジェがある。入ったとたんにあったので、とてもうれしかった。
ピカソ美術館。館内は撮影禁止なので写真はないのだが、ブイヤベースの材料を食い散らかしている猫の画が一番気に入った。「猫のいる静物(1962)」という作品らしい。
この建物の中に入ると…
中はステンドグラス貼りでめちゃくちゃキレイ。
田村氏が「巨神兵、巨神兵」と喜んでいた女性の象。胸のでかさがハンパじゃない。
カール・ミレス「神の手」。神の手といえばマラドーナな気がするがここではそうではないらしい。それにしてもすごい格好。
これは幼少のころにフジテレビのCFで見たことがある方も多いのではないだろうか。後藤良二の「交叉する空間構造」という作品だ。たしかに男女が天地左右に交叉しているのだ。
これはメイン展示でやっていた企画展。山本基の『しろきもりへ』という企画なのだが、白い砂のようなものはすべて天日塩。そして岩のような石のような置物は岩塩だ。アーティストというのはこういうやや奇天烈で他人がやらないことに常に挑戦しているのかと思うと、頭が下がる思いだ。ぼくは今年、砂糖で同様なものに挑戦しようかと思う。(ウソ)
作品名は「現世(うつしよ)の杜」。
これは2階部分の床全面に展開されていた「常世(とこよ)の杜」という作品。やはり天日塩で作られている。気の遠くなりそうな作業だ。
美術館見学のあとは、箱根登山ケーブルカーでさらに上の「早雲山」を目指す。
早雲山駅からは箱根ロープウェイに乗り換えて大涌谷へ。4~5人乗りのイメージだったのだが、実はこれは18人も乗れるロープウェイ。年間乗降客数世界一のロープウェイということで、ギネスブックにも登録されているとのこと。
大涌谷に到着。そこはなんだか罪人が強制労働でもさせられているような風景。この景色が見えるあたりから、ロープウェイのゴンドラ内も硫黄の匂いが漂ってくる。
大涌谷駅方面を望むとこんな感じ。空が晴れ渡っていると富士山も見えるそうだが、この日は残念ながら富士山を見ることはできなかった。
大涌谷駅を降りて15分くらいだろうか、山の方へ歩いていくと黒玉子茶屋とやらがある。もうとにかくすごい人の数。おそらく、日本で一番ゆで卵が売れている場所だと思う。
これがその黒玉子。硫黄との化学反応で殻が黒くなってしまうらしい。このゆで卵を食べると、寿命が7年延びるといわれている。ぼくは1つ食べたので7年ほど延びたことになる。田村氏は欲張って2つも食べたので14年も延びた計算だ。迷惑至極。
玉子休憩のあとは、また箱根ロープウェイに乗って、芦ノ湖の海賊船乗り場がある桃源台駅に向かう。すっかり日が落ちて、湖面に夕陽が眩しい。
これがその海賊船。25分くらいかけて芦ノ湖の反対側の港へ。
箱根町港に到着。このあたりではもうほとんど太陽が出てこなくて、かなり寒かった。
この箱根町には先日行われた、箱根駅伝のミュージアムがあった。
今年の出場校ののぼりが悠々とたなびいていた。残念ながら今年は母校の亜細亜大学も法政大学も出場がなかったのでそれらののぼりを見ることはできず…。
箱根駅伝ミュージアムのすぐ近所に、往路のゴールがある。この紅白のものはいずれ片付けられてしまうのだろうか?
「入鉄炮出女」を監視したといわれる箱根関所跡。
とーってもキレイに復元してあって、やや興ざめな感じ。
こんなにキレイに復元。
そしてこの旅の当初の目的である、温泉へ。本当は「ひめしゃらの湯」というところに行く予定だったのだが、帰りの電車の時間が迫っていたので、箱根湯本駅徒歩3分という駅から最も近い日帰り温泉の「かっぱ天国」に急遽場所を変更。
行ってビックリ、写真のとおり寂れた温泉街の安キャバレーみたいな門構えに少々怯むも、代替案がないために強行突入。入ってみたらさほど悪い感じではなかったけど、決してよくもなかった。
一風呂浴びて電車内でのビールとつまみを買ったらすぐに電車の発車時刻となった。この足で大阪に帰る米田氏とは小田原駅でバイバイして、田村氏と電車内でささやかな酒宴。これは鯵の押し寿司。ややしょっぱいのだが、疲れた身体にちょうどよくおいしかった。
これを見てもらうとよくわかるのだが、なんと箱根まで特急を使ってもたった1,720円。私鉄の安さに驚くし、こんな手軽に温泉街に行けるのかと驚いた。
急なお誘いだったけど、とても楽しく遊ぶことができました。また企画してくださいね。お疲れさまでした!