父が。
- 2007.09.14
- 日記
父の話を聞くのは10年ぶりくらいだろうか。
今日は少し早く帰って来られた。ずっと続いていた案件がようやくフィニッシュしたのだ。
そんな疲労困憊の僕を待ち受けていたのは、父の情報だった。
簡単に両親のことを書く。
僕の父と母は、僕が18歳のころに離婚している。
自分で会社を営んでいた父は、もちろん金回りもよく、ルックスも良かったので女が黙っていない。それにうつつを抜かした父は浪費を繰り返し、果ては借金まみれになってしまったのだ。当たり前だが連帯保証している母に債務返済義務は回り、僕が20歳前後のころは生活が本当に大変だった。さらには僕が私立大学に進学してしまったのでなおさらだ。
それ以来、父との縁が疎遠になり、電話でのやり取りなどもしないままいまに至った。
たまに思い出すこともあったが、「便りがないのは元気な証拠」と思い、こちらからも連絡を入れることはなかった。
2日間にわたる徹夜を終え、深夜に帰宅した僕の耳に入ってきたのは「脳に出血が見られ、現在意識はありません。ただし、命に別条はありません。病院に来ていただけますか?」という病院からの声。脳みその内側を殴られたような衝撃だ。僕が意識をなくしそうだった。
僕自身も疲れ果てているので、むしろ僕が脳死状態。病院に来いと言われても、即答できるわけがない。まして、父は東京ではなく水戸にいるのだから。
これまで自分で好き勝手やってきた父なので、この期に及んだからといって僕が面倒をみる必要があるのか。父がそうだったように、僕にだってやりたいことがあるのだ。
しかし、自己防衛の観点で考えると、ここで父を見捨ててしまい亡くなったとしたら、「父を見捨てた」というとてつもなく重い十字架を一生背負わなければいけないような気もする。
自分のための時間が欲しいこの時期に、また1つ大きな案件を抱えてしまった。